自己中で、自分のことばかり何故わたしばかりがと嘆くわたし。
そんなわたしが、わたしの中に棲んでいる。

そんな人間にはなりたくないと、自分の人生は誰のせいにもせず、強く潔く艶やかに生きていきたいと、そうあろうとするわたしも、わたしの中に棲んでいる。

日々、どちらのわたしが勝つか、危うい中を揺れ動き苦悩しつつ、自分の人生を生きてきた。
かつて、その2人の自分と戦い傷つきながらも、決して下を向かず顔を前に向け突き進んでいた自分は、美しかったと思う。

けれど最近は、ぬるま湯の中に浮んでいるようだ。
何事もままならず、悲嘆に暮れるばかりの人生。
もう傷つきたくないと、取り巻く全ての事から逃げるために、心の扉を閉じ、無感動になっていく。

いつの日から、わたしはこんなにも弱く、浅はかな人間になってしまったのか。

少し前までは、何事にも全力で当たり、何事をも全力で受け止め、人とではなく自分と必死に戦っていた。

気づけば、目の輝きは光を失い、表情も乏しく、生きた屍のようなわたしに気づく。

もう誰も恨みたくない、憎みたくない、そして何よりも傷つきたくない。

心の扉を閉じることは、人の成長を止める。
人から豊かさと輝きを奪う。

美しいオーラは、燃え尽きたかのように、はかなく消える。

これではいけないと、心の扉を開くと、どうしても憎まずにはおれない人々がいる。
無意味だと解っていても彼らを憎んでしまう自分を疎み、蔑み、余計に輝きを失う。

それでも負けずと、美しいこと、愛しいことに目を向け、心を開き、傷つくことも美しく愛しいことも全て強く受け止められたなら、そこにはきっと美しく光り輝く何かが生まれるのに。

敵は彼らではなく、このわたしなのに、誰かのせいにして、自分を慰むことに逃げているわたしがいる。

わたしを助けられるのは、わたししかいない。

ぬるま湯がいつしか冷え、気づいたときには凍えて心が死んでしまう前に、ここから出なくては。

このまま終わりたくなんかない。

わたしを取り戻したい。




←Back